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たまにはまじめに論じよう。俺は自民党にも出入りしているし、元参議院議員で、小沢一郎の側近である平野貞夫先生とも親しい。衆参両議院、意外な議員まで含めて議員会館に出入りして情報収集しているが、それはそれ、これはこれなので、選挙前にひとつ、はっきりと言っておこう。
民主党のマニフェストはおかしいのだ。
「今回の選挙は果たして年金が問題なのだろうか。」これが疑問であった。
そこで民主党のマニフェストを調べてみた。その結果は、これで果たして民主党に政権を任せられるのか、というのが正直なところだ。特に罪作りなのが年金に関する部分だ。民主党のマニフェストには「高額所得者に対する給付の一部ないし全部を制限します」とある。毎日新聞の報道によれば、これは年収が現役時代に600万を1回でも超えれば、基礎年金が削減され、1200万あれば、基礎年金はゼロということらしい。こんなにでたらめな年金案しか、民主党は持っていなかったのだ。「600万を1回でも超えれば」というのはなかなか厳しい条件だ。なぜなら、たまたま偶然年収が600万を一度でも越えればその段階で基礎年金は削減されることになるからである。これでは収入が不安定な自由業などはとても持たないのではないか。むしろ年収が1200万を超す富裕層に日本脱出のインセンティブを与えてしまうのではないか。この程度の政策しか提示できないところに民主党の病はある。
民主党のマニフェストの抱える問題はこれだけではない。たとえば、あれだけ反対の大きかった人権擁護法を提出しようというのだ。
『 6. 人権侵害救済機関の創設 民主党は、「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」(人権侵害救済法案)を提出しましたが、政府は対案となる「人権擁護法案」の提出を拒み、審議を忌避する状況が続いています。民主党の法案は、内閣府の外局として中央人権委員会を、また、各都道府県に地方人権委員会を設置し、人権侵害に係る調停・仲裁等の手続きを定めるとともに、特別救済手続については報道機関等を対象としないことを内容としており、引き続きその成立をめざします。』
国民の生活を守ると言いながら、さらなる人権侵害を誘発する可能性のある法案を未だに主張するとはいったいどういう魂胆なのだろうか。
安全保障政策にしても、まるで出鱈目である。
『1. イラクから自衛隊を即時撤退 イラクに対する多国籍軍による武力の行使は正当性を有しておらず、自衛隊の活動範囲とされるいわゆる非戦闘地域の概念もフィクションであり、イラク特措法の法的枠組みは完全に破綻しています。民主党は、イラクに派遣されている自衛隊を直ちに撤退させるため、過去2度にわたって提出した「イラク特措法廃止法案」を改めて提出しました。政府のイラク特措法の期限を延長する法律案に対しては、航空自衛隊の活動がイラク復興の目的にかなった活動かどうか大きな疑念がある上、政府の情報開示が極めて不十分であることから、反対しました。戦争の大義とされたイラクの大量破壊兵器はついに発見されず、フセイン政権とテロ組織とのつながりも証明されませんでした。恣意的で不正確な情報に基づいて、米国に追従してイラク戦争支持を表明した当時の政府判断について、早急に検証を行い、責任を総括しなければなりません。その上で、国際協調の枠組みの下、わが国にふさわしいイラク復興支援のあり方を検討します。』
とある。しかし、民主党には今回の自衛隊イラク派遣の持つ意味はわからなかったようだ。これは、日本の自衛隊の国際社会へのお目見えなのである。しかも、極力イラクの反発を招かない形で行われている。確かに一面ではアメリカへの追従という側面は否定できない。しかし、こうして堂々と軍事力を派遣し、一定の役割を果たすことによって開かれる日本の可能性については民主党の人は理解できないらしい。
「生活第一」というのは、国家が存続し得て初めて可能になる。しかし、民主党のマニフェストには国家の存続にかける意気込みがほとんどと言っていいほど感じられない。国家が滅びてしまえば、年金も福祉もあり得ないのである。何も民主党の議員がすべて悪いとか、今回の参院選でも民主党に入れるべきだといいたいわけでない。ただ、民主党に巣くう国家意識の欠如を問題にしたいのである。
もう少し広い見地から今回の参院選を考えてみよう。サブプライムの問題にみられるように、ようやくアメリカの経済の失速も現実のものとして市場で認識されるようになってきた。また、その一方で中国の食品問題にみられるように、中国経済への不信が日本ばかりでなく世界中に広まりつつある。こうした二つの事例が暗示しているのは、米中両国による日本への挟撃ではなく、むしろ、米中両国の劇的な没落なのである。
いずれ、あと数年もすればアメリカ経済は音を立てて崩れるだろう。中国もオリンピックを過ぎれば、どうなるかはわからない。現在の共産党指導体制がどの程度存続しうるのかは、相当疑問であるといえるのではないか。東アジアは一挙に不安定な状態に陥る。この段階にいたって、日本は自分で自分の未来をつくらざるをえなくなるのだ。そのときまでに9条の第二項削除を核とする憲法改正をなんとしても実現しなければならない。アジア太平洋地域に訪れる嵐を前にして自分で自分の未来をつくるための最低限の準備を整えておかねばならないのだ。
結局のところ、今回の参院選は本来は憲法改正への是非を問うものなのである。3年後の憲法改正にとって適切な議員を選ぶことができるか、これこそが今回の参院選のエッセンスなのだ。
となると、我々がどのような候補者を選ぶべきかも自ずから明らかであろう。自民党でも民主党でもよい。あえて言えば、公明党でも社民党でも、維新政党新風でもよい。9条改正をゆだねることのできる政党なり候補者に一票を投じるべきではないか。社民党だからといって決して馬鹿にはできない。村山政権の時には、自衛隊を認めているからだ。この参院選は、憲法改正の前哨戦である。憲法改正に賛成する有権者は、憲法改正をゆだねることのできる、信頼できる政党なり候補者に投票するべきであろう。
激動の時代を迎えつつある今、憲法改正こそが我々の祖国が存続しうるための不可欠な条件なのだ。繰り返すようだが、先に批判した民主党ですら、個々の議員をみれば千差万別である。この人物なら、という人物に投票しようではないか。そして、「生活第一」という空疎なキャッチフレーズに踊らされることがないようにしたいものだ。

