あるところに

小さい雪だるまがいました。

「春が来ると、僕はいなくなるんだよ」

そう言って、どんどん、小さくなっていきました。

あるとき女の子が
「いなくならないで」
といって、雪だるまを冷凍庫に入れてしまいました。

「ここはまっくらでこわいよう」
雪だるまは、消えることよりも、くらくてまっくらなところにいるほうがいやなのです。

女の子に言いました。
「ここからだしてよう」

女の子は
「だって、出したらきえちゃうからもうあえなくなっちゃうよ」
と、泣きました。

雪だるまはいいました。
「だいじょうぶだよ。春から秋にかけても、たのしくあそんでくれるひとはいっぱいいるから」

女の子が冷凍庫から雪だるまをだすと、すーっととけて、雪だるまはいなくなりました。

「また、ふゆになったらあそぼうね」
そんな声が聞こえた気が、しました。