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「おしゃべり」が止まらない 西村康稔“コロナ担当大臣”への不安

4/10(金) 11:00配信

文春オンライン

「おしゃべり」が止まらない 西村康稔“コロナ担当大臣”への不安

東大ボクシング部時代の戦績は9勝2敗 ©共同通信社

 司会の解説委員も少し戸惑ったようだった。4月5日のNHK日曜討論。新型コロナウイルスの特措法を担当する西村康稔経済再生相(57)が緊急事態宣言について語り終えた際、司会者の質問を遮るように続けた。「あわせてもう一点。自粛の徹底が大事。東京の若い人が自粛を嫌がって地方に行くと地方に広がる」。同席していた小池百合子東京都知事に負けまいとする様子に政治部記者は呆れる。

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「永田町に広まる『おしゃべり大臣』との評判通りの態度が垣間見えた」

安倍晋三首相のスピーチライター、佐伯耕三首相秘書官の最近の口癖は「どうせ、あの『おしゃべり大臣』だろう」。何か情報が漏れると、経済産業省出身の大先輩でもある西村氏が番記者らに裏話を語っているとの見方を披露する。官僚トップの杉田和博官房副長官も西村氏は「ペラペラしゃべりすぎだ」と手厳しい。

悪評は過去の西村氏の言動に起因する。2017年8月から約2年間務めた官房副長官時代には、夜遅くまで官邸に残り、官僚に厳しい注文を繰り返す「パワハラ副長官」と呼ばれた。同僚の副長官である杉田氏に用件がある時は「自分は政治家だぞ」とばかりに自らの部屋に呼びつけた。西村氏の前に副長官だった萩生田光一文部科学相や加藤勝信厚生労働相は年長(78歳)の杉田氏に敬意を表し、必ず自ら出向いていた。こうした振る舞いが悪評として積み重なった。

「4月1日緊急事態宣言発令」のデマに対して……

 西村氏の知名度が一躍高まったきっかけも「おしゃべり」だった。「4月1日に緊急事態宣言が発令される」とのフェイクニュースがSNS上を中心に流れたことについて、西村氏は3月31日の記者会見で自ら切り出し、「私が親しい記者に『緊急事態宣言を出す』と漏らしたというネット上での記述があるが、違う。名誉毀損にもなりうる」と勝手に怒り出したのだ。

しかし、一度広まった悪評は都合よく利用されるのが永田町の常。朝日や読売が3月30日付朝刊で、政府が米中韓、さらに欧州の一部からの入国拒否を打ち出す方針を報じた。外務省は同日発表予定だったが事前に漏れたことに慌て、わざと先送りした。同省幹部は「外務省からは漏れていない。どうせ西村さんだろう」と責任を押し付けた。

もっとも西村氏がコロナ担当になったのは首相官邸に吹く「すきま風」が原因だ。官邸関係者は「本来なら菅義偉官房長官が兼務するはずだったが、菅氏への不信感を募らせる安倍首相があえて西村氏にした」と明かす。悪評を一身に背負わされる「西村コロナ担当おしゃべり大臣」。ある意味、官邸崩壊の被害者と言えるかもしれない。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月16日号