【ありがとうございます】クラウドファンディングで取り組んでいた翻訳本が無事完成、出版されました。

二階堂さま

小田切です。以前、ご紹介いただいたクラウドファンディングで取り組んでいた翻訳本が無事完成、出版されました。心より感謝申し上げます。

サイトでご紹介いただいた日に、アクセス数が急増し、何人もの方々からご支援をいただきました。

表紙画像と翻訳者が作ったプレスリリースをお送りします。

取り急ぎ、御礼申し上げます。

 

翻訳者によるプレスリリース

最新刊 ジャック・セゲラ著「GAFAという悪魔に」緑風出版刊

忌まわしいヤンキーGAFAどもをぶっ飛ばせ!

欧州(フランス)広告業界・最年長世代の現役クリエイティブの広告人が吠えまくる!

いつまでも反抗心を失わない永遠のフランス不良少年が、テクノロジーで世界を制覇するGAFAに対して

人間性回復のレジスタンスの狼煙を上げる。アンチGAFAゲリラ戦の堂々たるマニフェスト。

 2018年にフランスで出版されたこの本は、世界中の誰もが書き得なかったデジタルの巨大企業GAFAへの、欧州・フランスから世界的なレジスタンスを呼びかける本。GAFAによる巧妙な世界支配の手口を明らかにしたこの本の内容は、今まで約20年の間に、その便利さ、スピード、手軽さ、かっこよさ、スマートさなどに盲目的に酔い痴れていた私たちに冷水を浴びせかけた! 秘密裏に個人情報を収集し、精神を支配し、GAFAに依存せざるを得ないような人類の精神状態を作り出しているのは、まさにひとにぎりの私企業による地球的な犯罪である。そしてGAFAはあらゆる規制や罰則をすり抜けて、巨万の富を独占して、人々の貧富の格差を広げ、わずかなスーパーリッチとその他大多数の貧困層を生み出しているのだ

一見、勝ち目のない戦いのようだが・・・

あまりに圧倒的なGAFAの勢いに対して、個々の人々はあまりに無力のように感じられる。しかし、そうではない。ほんのわずかな、小さなところからGAFAの支配は揺らいでいく。個人情報をアップしない、クッキーを拒絶する、位置情報機能をOFFにする、はした金やポイントをもらうくだらないアンケートに答えない、といったところからGAFAの世界支配は崩れていくのだ。

自分に関する情報は、誰のものでもない、自分だけのものであること。自分の情報を渡す時は、必ず本人の承諾を得ること。その情報で利益を得るならば、その分配に私たち自身もあずかれること。といった情報の所有権を明白にGAFAに突き付けるところから、その世界的な支配は崩壊を始めるのである。

著者のジャック・セゲラという欧州広告業界の怪人

1934年パリ生まれのジャック・セゲラは、欧州(フランス)広告業界の現役クリエイティブの広告人。1970年に自分の広告会社RSCGを設立し、やがて発展を遂げたRSCG社は、1996年にヨーロッパを代表する広告企業グループ・アヴァスと合併する。現在の彼は、アヴァス・グループの副社長を務める。

彼は、数々の企業・商品などの広告キャンペーンを手がけ、また政治キャンペーンでも辣腕を振るう。社会党のミッテランが劇的な逆転当選を果たした1981年のフランス大統領選挙の陰の仕掛け人であり、サルコジ大統領にカーラ・ブルーニ嬢(後のサルコジ夫人)を引き合わせなど、怪人ぶりを遺憾なく発揮している。2008年にはレジオン・ドヌール勲章を授与された。彼の著書は25冊を数えるが、邦訳されているのは彼の若い時代の自叙伝「広告に恋した男」だけである。

GAFAを的確に批判できる人はごくわずか

今の世界でGAFAを的確に批判出来る人間は、そんなに多くはいない。以前GAFAにいたエクゼクティブが「さらばGAFA」というような内部告発本を出すことはあるかもしれない(アメリカの情報機関にいたスノーデンの内部告発のように)。

一般のジャーナリスト(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)は、テクノロジーの最先端を突っ走るGAFAの動きを追いかけるだけで精一杯、全体の俯瞰図を分かりやすく見せることなど出来ないだろう。自分の属している既存のメディアの経営が悪化し、失業するかもしれないのに。ネット上に多いフリーランスのジャーナリストも同様で、GAFAは桁違いの資金力で、金回りに苦労するフリーのジャーナリストたちを簡単に囲い込むことが出来るのだから。

しかし、アメリカと価値観を異にするフランスの、IT関連業界ではない広告業界に身を置くジャック・セゲラ氏なら、こういったGAFA批判が誰はばかることなく出来るのだ。それに広告業はIT業界によって最も激しく業界基盤を侵蝕された業種であるから、そこから受けたダメージも身に染みて分かっているし、またそこからの逆襲の方法もきわめて具体的である。いわばこの本には広告人のGAFAに対する怨念が纏わりついているのだ。

オーウェルの1984的悪夢が地球を覆わないように

著者のセゲラ氏は、IT産業の巨人たちIT長者たちは、常に人徳のある人間だとは限らない、人々に幸福をもたらすとは限らない、と考えている。金があるなら何をやってもいい、儲かるならあらゆる手段を使って、非合法すれすれでもかまわないとする連中だと考えてい

 データによって人間を単なる数字や記号として管理・支配しようとするのは、かつてジョージ・オーウェルが1984の中で描いたビッグ・ブラザーによる世界の徹底的な支配と搾取の悪夢。それを急速に完成しようとしているのが今の中国、つまり中国共産党である

中国共産党支配下のチャイニーズGAFAとして、セゲラ氏はBATXつまりバイドゥ、アリババ、テンセント、シャオミをあげるGAFAも嫌だが、露骨な政治支配が絡むBATXはもっともっとおぞましいBAXTのような中国系のITソフト、ハードによる世界制覇は断固拒絶なのである。そんな生臭い現在進行中の世界情勢IT覇権のゆくえを考えるヒントにも満ちた本でもある。

類書は・・・、たぶんない

この本の類書としては、2018年に出版されたスコット・ギャロウェイ著GAFA、四騎士が創り変えた世界』を思い出す人もいるだろう。しかし、この本は最初のうちはGAFAへの鋭い指摘があったものの、後半に入るとGAFAに喰いモノにされないためにはGAFAに就職しよう・・・、みたいな、がっかりする超ヘタレのトーンに堕していく。私も読んでみたのだが、なんだか著者に裏切られたような気がした。そこに私は、アメリカ人著者の限界をはっきりと見たのだった。

英語圏、アングロサクソン系の価値観ではGAFAの論理はたぶん正しいのであろう。しかし、それとは異なる価値観の国は数多い。その代表として、フランス人の著者によるこの『GAFAという悪魔に』は、アメリカ・イギリスとは異なった文化圏からの批判の書として、図らずもGAFAの本質をえぐり出しているのである。

 著:ジャック・セゲラ 訳:佐藤真奈美、小田切しん平緑風出版・刊 2,200円(税別)