てらい

「衒いがある」「衒いがない」

すぐ読める人は少ないだろう。「てらい」と読むのである。大辞林その他でどう表記しているのか知らないが、俺の感覚では、「あの人は衒いがなくなった」というと、

  • 恥知らずになった
  • 一皮むけて自分の内面を表現できるようになった

 

と、そんなところだろうか。まちがっても「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に出てくる寺井ではないのである(←ここがいいたかった・笑)

 

寺井つながりで行くが、俺は遙か昔、ゼンショー、いわゆる牛丼屋のすき家のバイトをしていた。そのために牛丼屋最大の秘密と言われる”タレの作り方”を知っているのだが、それはさておき。

ゼンショーの工場には「寺井」という通称寺ちゃんがいた。創価学会員で、毎週土日にアイドルの写真を取りに行く男。それも、昔みたいに手ぶれ防止がついてない300ミリとかでブレなく撮るんだからすごい腕だった。牛丼屋の工場なんかで社員しているより報道カメラマンになった方がいいよ!とみんなで言っていたものだ。ただ、ちょっと精神がおかしいひとだったけど・・・(後日、本当に精神を病み入院)。

ああちなみにバイトとはいっても、店舗ではなく工場だった。毎日肉を切る生臭い場所・・・床は滑るし肉はすごいし(0.9ミリにスライスしろっていわれてました)。ダメな肉は大体ミンチにしてカレー行き。床に落ちた肉や掃除で洗剤まみれになったもの、グリーストラップにあった肉などは、冷蔵庫内にある(冷やしてないとすぐ腐る)「どでかい鉄の箱」に入れていた。大体月に1回くらいその業者が回収に来るのだが(いわゆるアームロールって特殊車両でもっていってました)、俺が

 

「こんな肉何に使うの?洗剤まみれだし汚いし・・・」

と、回収業者に聞くと、

 

「ドックフードとかに使われるって聞いてるよ」

あっけらかんとした回答。

 

このとき、まだまだ何も知らない少年の素直さを持っていた俺は(その割に学校の不祥事つかんで脅かしてましたが)、すごく傷ついた。いや、何に使おうといいのであるし、一応洗浄もするのだろう。全部は消えないだろうけど・・・それを犬や猫が食うのである。いくらペットだといってもそりゃねぇだろう、と思った優しい二階堂少年・・・でも、ここで何かをいったところで別に何かが変わるわけじゃない。「ペットフードは、よっぽど入手経路がしっかりしたところじゃないとあぶねぇ」と思ったわけだ。いくら洗剤付けになってる肉でも、洗ってたれ付けにして焼いて乾燥しちゃえばわからんからな。

 

ゼンショー(7550)という会社には世話になった。俺がいたときは非上場だったが、いまは会社がデカすぎてなんだかわからんが、小川堅太郎はまだ会長とかやってるんだろうな。あのオッサン自分でやらないと気の済まないタイプだろうし。ワンマンを絵に描いたような人だ。元々吉野家にもいたけれど、確か新橋の有力者に援助してもらって会社が大きくなったのではなかったかな?違ったらすまんが、まぁ、SL広場あたりの爺さんにそう聞いたので。

 

てらいの話が肉の話になってしまった。俺はテーマが途中で変わるのが悪い癖だ。でも、「自分の内面を表現できるようになった」=昔話をするようになったってことは、少しは「衒いがなくなった」といえるだろうか。

 

牛丼、もう一生分食ったもんなぁ。もう時効だから言ってもかまわないだろうが、売れない店用の特殊ダレかっぱらって工場でよくみんなで牛丼作ったよ。あの時代はカネがなかったが楽しい時代だった。俺は高校生バイトのはずなのになぜか工場を仕切っていたもんなぁ。俺に任せると決めた人も相当腹が据わってたけれども、みんな元気かねぇ。