メモ
2021/09/07 11:34 -農業メモ
東北の休耕地で試験した結果、スギナは晩秋期に塩素酸塩粒剤(「クロレートS」「クサトールFP粒剤」)を処理することで、地下部まで枯らせることがわかりました。全国の休耕地で活用できるスギナの除草技術です。
「クロレートS」や「クサトールFP粒剤」は「休耕田」に登録があり、多年生雑草に効きます(「デゾレートAZ粒剤」は同じ塩素酸塩粒剤だが、休耕田には未登録)。
「雑草生育期」であればいつでも使えますが、スギナへの効果が高いのは11月以降、越冬芽が地表にある冬生雑草の生育期です。積雪期間は除きますが、春先までに散布すれば、萌芽してくるはずのツクシを抑えることができます。
この時期に粒剤を散布すると(散布量は30~40kg/10a)、雨水などに溶けた成分が酸化作用によってスギナの越冬芽を枯死させます。地表面で春を待つスギナの越冬芽は、冬の間、地下深くの根茎(スギナの本体)にまるでシュノーケルのように酸素を送り込んでいるのではないでしょうか。越冬芽を枯死させれば根茎が呼吸できなくなり、死滅してしまうと考えられます。本体が死滅するため、翌年もスギナの再生を抑制することができるわけです。