投稿・世界はモンスーンアジア主体の状態に戻りつつある 西欧の衰退、いずれ米国も追随する・・・これからは米作地帯が世界をリードする
その原因がよく分からなかったが、ある本を読んで合点がいった。
その本とは「モンスーンの世界」(安城哲三)という本。
(この本が言うモンスーンアジアとはアジアの米作地帯・・インド〜日本・・とほぼ同じ地域)
本の内容はほぼ全てがモンスーンを主体とした気候の話だが、中に興味深いデータがあったので紹介したい。
p.204 「16世紀以降の世界経済の発展経路」
これによると次のとおりの変遷をたどってきている;
(15世紀・・大航海時代・・以前のデータが無いのがおしいが、元々使えるようなデータが存在しないのだろう)
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西欧 モンスーンアジア
世界人口割合 世界GDP割合 世界人口割合 世界GDP割合
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1700年 11 19 57 54
(産業革命)———————————————————-
1820年 12 22 63 55
石炭の大量使用と植民地化
(第2時世界大戦)——————————————————
1950年 16 51 44 13 ←明確なドロップ
化石資源世界経済の興隆
(人新世化)———————————————————-
2015年 9 29 51 48
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まとめ;
・1700年は大航海時代のスタートから100年経過しており、西欧の割合がすでに高まった時期だろう
・産業革命の影響は思ったほど大きくない
・第2次世界大戦以降、
しばらくの間は西欧のGDP比率が跳ね上がり、
逆にモンスーンアジアの世界GDPに占める割合が極端に低下した
※現在の大半の人間の基本認識は、この辺にあるのだろう
・現状はこの割合低下が徐々に戻りつつある過程にある
・この傾向は今後も当分続く(中国は落ちるが、東南アジア+インドがより以上に上がる)
・西欧の衰退(人口減少、経済規模縮小)はさらに続く、
やや遅れて米国の衰退が起こる
代わりにモンスーンアジアが吸収して成長する
・ただしその成長は「地域」として見た時の話で、「個人」がストレートに豊かになる訳ではない
このようになる主原因の米作の特徴として;
・単位面積当の穀物生産性の高さ 小麦に比べてx2以上の収穫が得られる
・手間が掛かる(田植え、雑草取り、収穫など) つまり多くの人間が米作労働に吸収される
いずれにしても、これからはモンスーンアジアの時代が当分続くことになる。
ただし韓国、中国、日本は今後100年+αで、現状の人種は消滅していくことになるだろう。